2024.04.24

くも膜下出血について

今日は、昨日に続いてくも膜下出血について書いてみようと思います。

そもそもくも膜って?と思いませんか?くも膜は脳の表面で脳を保護している軟膜と頭蓋骨側の

硬膜の間にある膜です。そしてくも膜と軟膜の間で形成するくも膜下腔に生じる出血を

くも膜下出血と言います。原因の80〜85%は脳の血管にできたコブ(脳動脈瘤)が破裂

することで起こります。平均年齢50歳の成人を対象にすると3.2%の人に未破裂脳動脈瘤が

見つかります。

ちなみに昨日私の近親者3人がくも膜下出血で亡くなったことを書きましたが、

近親者(1等親以内)に脳動脈瘤を有している方の4%に脳動脈瘤があると報告があります。

2021年に行われた研究では、家族性脳動脈瘤は家族歴がない脳動脈瘤よりも2.5倍破裂のリスクが

見られていてます。つまり家族歴のある方は要注意なのです。

くも膜下出血のリスク因子は

脳動脈瘤や脳動静脈奇形の存在のほかに喫煙習慣が1.9〜3.6倍、高血圧が2.8倍、

過度の飲酒が4.7倍のリスクがあり、喫煙と高血圧両方有すると8.6倍のリスクがあります。

禁煙するとくも膜下出血の予防効果が期待できるという結果も得られています。

くも膜下出血の予防は、

脳動脈瘤を小さいうちに早めに見つけ出して、厳重な経過観察のもと、リスク低減のための

禁煙と節酒などの生活習慣の改善と血圧コントロール、さらには、主治医の指導のもとで

適切な時期のカテーテル治療や手術を行うことで破裂させないことです。

脳動脈瘤患者には有意に歯周病が多かったという報告もあるので、普段からしかでのオーラルチェック

をしておくことも大事だと思います。