ジョウシの節句
きょう三月三日は「ひなまつり」。「桃の節句」「おひなさま」など色々に呼ばれますが、古くから
中国にあった行事で、元来は「上巳(ジョウシ)の節句」と言います。「上巳」は一般には
「ジョウミ」と読まれていますが、「巳」の字音はシなのでジョウシが正しいのです。
さて、ひなまつりといえば白粉を塗ったお内裏様とお雛様の印象が強いですね。京都の舞妓はんも
白いですし、鈴木その子(個人)も白かったなぁ〜、小梅太夫も白いよな〜と思いながら・・・
でもやっぱり幽霊って本格的に白いなと思うんですよ。それはもちろん死んでいるからでしょう。
それにしても、おそらく江戸時代に描かれたであろう幽霊の絵って大体白く描かれていますよね。
さらに橈骨神経麻痺が必ずつきもの。「恨めしや〜」の手ですね。あれが無くては幽霊ではない。
昔の遊女であれば、鉛を含有した白粉の使用による鉛中毒から橈骨神経麻痺をきたすのも頷けます。
医学生の頃に確かに習いました。ですが、今は頻度が少なすぎるのです。米国ハリソン内科学では
あっさりと記載があるのみ。ですが、日本の中山書店の内科学書にはしっかりと記載されていました。
しかも詳しく!。日本は衛生学・産業医学が発展しているからでしょうか・・・そのためか、
インドの電池工場では、今でも鉛中毒による橈骨神経麻痺が発生しているようです。鉛中毒による
橈骨神経麻痺は運動神経優位であって、下垂手と下垂指をきたすそうですが、典型的には手背橈側
つまり手の甲の親指側に痺れなどの感覚症状は来しにくいことになります。
幽霊さんの手の原因が鉛中毒であるならば、手の甲は痺れていないことになり、強い腹痛や便秘を
伴う鉛疝痛があるかどうか、左右差があるのかどうか、下垂手から始まり、下垂指は中指・薬指と
広がっていったのかなどを問診したいものです。「違うわい!」と言われたら困りますね・・・