マグロは冬の季語
お寿司屋さんで注文するネタの一つにはマグロ入っていませんか?一時期マグロは水銀が〜という
ことで妊婦さんは食べないほうがいいとか言われていた時期もありましたよね。満尾正先生の
「ハーバードの栄養学に学ぶ究極の健康資産の作り方」にもありましたが、今日はマグロの話題を
していこうと思います。化石燃料が燃やされる際に有害金属が大気中に放出されて、雨と共に
地上や海に降り注いで環境を汚染させます。マグロは食物連鎖の頂点であり、餌となる小魚が摂取
した水銀をどんどん濃縮していきます。冒頭の妊婦さんの話題ですが、母体に水銀が多いと、子供に
移動してしまいます。自閉症と水銀の関係も報告されているようです。
でもマグロを食べないわけにはいきませんよね〜
マグロで思い出すのが、志賀直哉の「小僧の神様」です。
主人公の仙吉が番頭さん2人がうまい鮨屋の話をするのを聞いて自分もその鮨屋に行って旨い鮪を
食べてみたいと思う。使いに出され帰りの電車賃を浮かせて手持ちは4銭ある。
握りしめて鮨屋に入り、台に並んでいる鮪をつかむと6銭と言われ、苦い思いをして店を飛び出す。
この鮨屋での一部始終を見ていた貴族院議員のAは小僧をかわいそうに思って鮨を食べさせて
やりたいと思う。自分の子供のためにたまたま入った秤屋で小僧に遭遇し、Aは秤を小僧に運ばせて
用のなくなった仙吉にご馳走すると言って、鮨屋に連れていきお腹いっぱい三人前の鮨を食べさせたが、
秤を買った男はすでにおらず。仙吉はどうして寿司を食べたいことを知っていたのか?番頭さんが
話していた鮨屋をなぜ知っていたのか?と、疑うも結局はあの人は「神様」だったのだと思い至る。
仙吉が、悲しい時、苦しい時に必ずAを思い、Aを思うだけで慰めになった。いつかまた、思わぬ
恵みを持って自分の前に現れてくれることを信じて・・・・
江戸時代は冬にしか食べられないマグロでしたが、近畿大学のお陰で無季語になるかもしれませんね笑。