入浴先生
「入浴」というと欧米では多くの人がシャワーで済ませるのに対して、日本人の多くはゆっくりと湯船に
つかって身体を温めることをイメージする人が多いと思います。湯船に浸からずにはいられないという
日本人は私だけではないはず。アメリカはシャワーブースのみ。浴槽があっても半身浴しかできません。
英国は深めの浴槽ですが、シャワーと浴槽がセットで洗い場がない、ホテルの浴室スタイルです。
週に1回以上浴槽入浴する欧米人が3割以下であるのに対して、日本人は平均週5回も浴槽入浴を
行なっています。なんと約75%の日本人がお風呂に入ることが好きだと答えている統計もあります。
お風呂って何がいいの?という疑問にはさっぱりする以外にも疲れが取れる、リラックスできる、快眠
など様々な理由が挙げられます。ですが、今のスタイルの入浴になったのは江戸時代初期からで、
しかも自宅で楽しめるようになったのは戦後の高度成長期になってからとのことです。
南こうせつの「神田川」の世界です。「横ちょの風呂屋〜」って世界観ですね。
入浴のメリットは、線維筋痛症の患者さんで浴槽入浴で痛みが緩和された研究結果があり、
変形性関節症の患者さんにおいても痛みを改善する可能性が示唆されています。
浴槽入浴やサウナ浴を行うと血管が開くことで、血圧が下がります。水圧によって血流も改善。
これらの作用で脳卒中や心筋梗塞などの脳や心臓の病気のリスクが下がる報告がなされています。
2020年に発表された3万人の40〜59歳の人を1990年から2009年まで追跡し、
入浴回数と心筋梗塞の発症率との関係を評価すると頻繁に入浴する人の方が、
あまり入浴しない人よりも脳卒中や心筋梗塞を起こす確率が低いことを示しました。
皆さんも、入浴ライフを楽しんで健康寿命を延長しましょう!
ちなみに、以前勤めていた病院では私「入谷」と「入浴」が似ているために、
よく「入浴先生」と書かれていました。
看護師さんは日常、患者さんの予定で入浴と書く機会が多いからでしょう笑。