出会いは〜スローモーション
中森明菜さんのスローモーションは名曲で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?私自身、
歌謡曲というものにあまり縁がないというか聞かないのですが、妻の車に乗ると、レゲエ、JPOPや
懐かしの曲などを強制的に聞かされます。私は、クラッシックとジャズが好きです。
ところで、事故のような衝撃映像を目撃した時に何となく周囲の動きがゆっくりと、まるで
スローモーションのように感じたという経験はありませんか?そもそも衝撃映像なんて…という方が
多いのではないかと思います。交通事故に遭った方に伺うと、実際はすごいスピードだったのに、
ゆっくりと相手の車と衝突した記憶がある方もおられるのです。これは、受け取り手の強い感情反応
による時間知覚の変化であると考えられます。心理学用語の興奮の度合いつまり、情動の強さの
指標となる覚醒度を調べた研究があります。感情反応を起こすために使用したのは男女の怒り、
恐怖、喜び、無表情の4種類の顔写真です。怒りの表情は危険と判断するので大きな覚醒度となり、
無表情は覚醒度が小さくなることが予想されます。実験を受ける被験者にフルカラーの顔写真を
1秒間見せた後に、一瞬だけ画像の色彩度を低下させました。
被験者が一瞬だけ変化した色彩の低下をどれだけ早く認識できるかで、資格の時間精度を
測定したところ、無表情よりも、怒り・恐怖・喜びの表情の画像の方が短時間で色彩低下に気づく
ことができたのです。つまりドキッとした瞬間に視覚がスローモーションになったことを示しています。
この結果から感情反応が大きいほど、視覚がスローモーションに見えるということが実証されたのです。
ネガディブな感情(怒り・恐怖)だけでなく、喜びなどのポジティブな感情でもスローモーションが
引き起こされることがわかりました。つまり、アスリートが高いパフォーマンスを発揮する
「ゾーンに入った」というのも同じ説明かもしれません。実際に小学生の時に会ったことがある
読売巨人軍の川上哲治選手は「ボールが止まって見えた」と言ったのはまさにこれかもしれません。
高い覚醒度で、周囲がスローモーションに見えていたことの証かもしれませんね。