2024.12.26

脂質異常症なのですが、何を食べたらいいの?

脂質異常症をはじめとする生活習慣病全般に言えることなのですが、薬物治療、運動療法、食事療法の

3者のバランスが重要です。特に肥満がある場合は減量によって脂質の改善が期待できるので、

食事療法の目的は減量を優先します。薬物療法を行うほどではない適性体重の人であれば、

運動療法と食事療法が基本となります。食事療法を継続しても効果が現れないことがあって、

モチベーションを維持するのが難しいケースもあります。結局は、血中の脂質が改善しなくても

動脈硬化の伸展予防など、健康的な食事による他の病気を予防する効果が期待できるので、

数値を見て一喜一憂する(しますけどね・・・)必要はありません。

中性脂肪が高めの方は、食事中の脂質よりも糖質やアルコール摂取との相関があるので、まずは

飲酒をやめること。酒を飲んでいないあなた!清涼飲料水で果糖を取りすぎていませんか?糖質量を

減らしてその分脂質の摂取量を増やすことで低下が期待できます。

じゃあLDL(悪玉)コレステロールが高い場合は?というと、牛肉・豚肉や卵を食べる頻度を減らして

魚を食べる頻度を増やすことを優先します。水溶性の食物繊維はコレステロール排出を助けるので、

主食は全粒穀物を、果物、野菜、海藻類を食生活に取り入れると良いです。我々日本人は、鶏卵や魚卵

以外は気にしなくて良いケースがほとんどで、魚(コレステロール多いものもある)も禁止しなくても

よいのです。

HDL(善玉)コレステロールが低いんだけど、という方には食事療法よりも適度な運動療法を勧めます。

また、HDLを低下させる食事内容にはトランス型の脂肪酸つまりマヨネーズ、ショートニング、外食店の

揚油、冷凍食品の揚げ物に含まれます。糖尿病がある方はHDLコレステロールが低くなる要因なので

疾病の有無や血糖コントロールの具合も確認する必要があります。

結局のところ、〇〇がいいとかありますが、食生活と運動量を見直して改善を図ることが基本です。

コレステロールゼロの表示もありますが、コレステロールが含まれなくても、油を摂り過ぎれば肥満に

なりますし、血中の脂質全体に悪影響を及ぼすのも必至です。なんでもバランスなのですね。