2024.11.23

脳トレは本当に有効なの?

脳トレって何を指すのか、私の場合Nintendoの「脳を鍛える大人のトレーニング」

が真っ先に思い浮かびます。外来でお話を伺っているとナンプレ、数独などがよく

話題に上がって参ります。実際の脳研究の現場では、否定的な見方をする方もおられますが、

有意な効果を支持する論文もあります。逆に患者さんの方から脳トレとしてお手玉は?しりとりは?

料理は?のように効果があるのかと尋ねられます。私の立ち位置から言わせていただくと、

やらないよりはやった方がいいんじゃないの〜と返事しています。

◯◯が脳を活性化する!とか◯◯は脳を鍛えることができると言うのは証明が難しいのです。

実際にやっていない人とやった人を比べるにしても同じ環境で同じ刺激でと言うのも難しいので

単純に効果の有り無しの判定をするのが困難なのです。結論としては、脳トレをすることで、

認知機能の低下が見られなかったり、老化を予防できたり、脳の萎縮を認めなかったりと我々が、

目に見える効果がなくては、脳トレやってよかったね〜と言うことにはならないのです。

スウェーデンのクリングバーグ博士は脳画像を用いた脳トレの研究が有名ですが、脳トレ後に

脳トレ後に伝達物質のドパミンのシグナルを受け取るアンテナ(受容体)の数が変化したのです。

博士の脳トレはワーキングメモリという即時記憶を訓練する方法です。わかりやすく言うと、

好きな人に私の(僕の)携帯番号覚えて!と言われた際には、必死に覚えますよね?私だけですか!?

博士の実験では297251のように乱数列を記憶に保持して30秒後に暗唱してもらう訓練です。

このワーキングメモリは訓練を繰り返すと、次第にその能力が向上することが知られています。

今回のドパミン受容体の働きを阻害するとワーキングメモリが低下することが知られています。

また、アルツハイマー病の方、統合失調症の方でもワーキングメモリが低下していると言う事実からも

以前からの知見と一致しており、今後の脳トレ研究に期待が寄せられています。

個人的には、あくまで私の場合は、アイドルと電話番号を必死に覚えると方式の脳トレが

ワーキングメモリを向上させるのではないかと思っています。皆さんはいかがでしょうか?