血圧の薬問題 ①動脈に負担編
血圧の薬については昨年も何度かブログで話題にしております。やはりよく外来で聞かれることは
「血圧が高いけど、血圧の薬を飲み始めたらずっ〜〜〜〜と飲むんでしょ?」そのように
言われる方が大変多いのです。でも私が降圧剤を提案するということは、なかなかの血圧である
ことは間違いないのです。そもそもあなたもう内服した方がいいよ〜の気持ちの現れなのです。
この血圧の薬を内服する=囚われの身になるという感覚は、必要性が理解できていないから
かもしれませんね。つまり我々医療者がうまく皆さんに説明できていないからと考えるべきです。
そこで3回に分けて考えてみたいと思います。
血圧は、心臓から送り出された心臓から送り出された血液が動脈の中を流れる時に、動脈の壁にかかる
圧力のことです。心臓が収縮して血液を送り出すときに血管にかかる圧が最高になった時の血圧を
上の血圧(我々は収縮期血圧と言います)といい、逆に心臓が収縮を終えて血管にかかる圧が
最も弱まった時の血圧をしたの血圧をしたの血圧(我々は拡張期血圧とよびます)といいます。
わかりやすく例えると、ポンプを心臓、ホースを動脈、水を血液とすると、ホースは一定量の水を
繰り返し流し込まれて、ホースの先の方へと水を運び続けています。これが正常な循環です。
ですが、ホースの先を針金で縛ってしまうとホースの中の圧は高くなってしまいそのうちに、
ひび割れてもろくなって膨らんでしまいます。高血圧が続くと同じことが動脈に起こるのです。
20年以上の前の話で恐縮ですが、関西電力美浜原発3号機で道管破裂事故を起こしました。
同感が腐食して薄くなり内圧に耐えられずに破裂して起こした事故です。怖いですよね。
原発のように管理されている道管も皆さんの動脈も長時間経過すると知らないうちに壁が
痛み続けてしまうという点で共通してしまいます。
高血圧は、放置しておくことで動脈を傷つけてしまい動脈瘤を生じたり、動脈解離を起こします。
体の中心を走る大動脈に起これば大動脈瘤破裂や大動脈解離、脳の血管に起これば、
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血、脳出血を引き起こすのです。つまり、高血圧はいずれ死に至る
大病を引き起こす可能性があるです。だから放置していては良くないですよ〜と私はいうのです。
ご理解いただけましたでしょうか?