2025.01.04
血圧の薬問題 ②血圧が高いと動脈が詰まる編
血圧が高いことで引き起こされる動脈の変化として昨日お話しした動脈瘤のほか、
実は今日お話しする血管が詰まるタイプがあります。どちらにしても怖い話題で恐縮です。
さて、血管壁の内側は内皮細胞という膜で覆われています。まるでトンネルの内側にタイルを
敷き詰めたような感じです。血管の内皮細胞は血液と血管壁の間にバリアのように働いて、
血管壁の内部にとって不要なものは入れず必要なものだけ取り込んだり、出したりします。
血圧が高い状況が続くと、タイル(内皮細胞)が剥がれてしまい、そこから悪玉コレステロールが
血管の壁に入り込んでしまい、活性酸素によって変性LDLと呼ばれる異物になります。
この変性LDLをやっつけよう!と白血球の仲間であるマクロファージが変性LDLをどんどん
食べ尽くして泡沫細胞(ほうまつさいぼう)と呼ばれる太った細胞になってしまうのです。
泡沫細胞は血管壁内に溜まり続けて、コブ状に血管の内側に突き出します。これがプラークと
呼ばれております。プラークは粥腫(じゅくしゅ)とも呼ばれていますが、まさにおかゆさんが
入っているかのような柔らかくて崩れやすい特徴があります。血圧が上がると、崩れやすい
プラークに亀裂が入り、その傷に修復しようと血栓ができてしまいます。この血栓が血管を
詰まらせるもとになってしまい、脳の血管を詰まらせれば脳梗塞、心臓の冠動脈を詰まらせれば
心筋梗塞を発症してしまうのです。昨日と今日で高血圧は放置しない方が良いということは
ご理解いただけたのではないでしょうか?それでも血圧を下げる薬をずっ〜〜と飲むのは・・・
という方には明日、お話を続けたいと思います。