風邪らしい風邪とは
個人的な話で恐縮なのですが、昨年の石破政権樹立の前日から我が家にはテレビが無くなりました。
ただ故障しただけの話ですが、特に治すわけでもなく未だに鎮座ましましておられます。テレビが無くて
困るのは子供たちかなと思いきや、一番困ったのは私だったかもしれません。ところでこの季節は
テレビのコマーシャルで風邪薬がよく流れていました。シーズンですものね。以前、今はどうか
分かりませんが、「私の風邪はのどから、とか私は鼻から」などうたっております。
ただ、風邪らしい風邪というのは、のどの痛みにはじまり鼻水が出て、のどの痛みが良くなって、鼻水が
ひどくなり、咳がはじまり、咳がひどくなると鼻水が良くなって、その後咳が治っていくという経過を
辿るのが普通なのです。つまり、のど、鼻水、咳の3つの症状がその順番で症状が出て、症状が出た順に
改善し絵いくのが風邪らしい風邪なのです。
ここで皆さんにはショックかもしれませんが、放置していても風邪は良くなるのです。早く治す治療法が
あるわけでもありません。鼻水がひどい時には花粉症で投与する抗ヒスタミン剤を投与します。
皆さん、過剰な期待をされて受診いただきますが、風邪は風邪薬を飲めばすぐに治るというものでは
ありません。薬で1、2日で良くなったりもしません。平均7〜10日間はかかるということが研究で
示されております。風邪の25%は2週間以上、10%は3週間以上症状が継続するという研究結果
もあるぐらいです。そして、先ほど風邪の症状はのど、鼻水、咳と書きましたが、熱が加わることも
よくあります。そのような状態で、のどの痛みや鼻水は大したことなくて、咳とたんがひどいという
場合は肺炎を疑います。そして咳と痰が酷いのだけれど熱がないなという時は気管支炎を疑います。
治療としては放置でも良くなります。熱だけでなく、悪寒(さむけ)と震えを伴う場合は、他の重症な
病気を考えなくてはいけないので緊張が走ります。心配であればいりたに内科へいらしてください。