高血圧いつ受診するの?今でしょ!!!
今年8月30日のブログでも記載しましたが、皆さんの中でも血圧が高めの人は、
なぜ、先生はそんな厳しいことをするんだと外来で憤慨する人もおられます。
別に降圧剤を何が何でも内服させたいわけではないのです。しかも高血圧の基準は
いいのか悪いのか高血圧治療ガイドラインは2019年から変わっていません。
自らの高い血圧を肯定するための基準は、あくまで未治療の患者さんの受診勧奨基準なのです。
治療の基準ではなくて、病院に行かせようとする基準ですよ!!
多くの方が誤解しているのは、協会けんぽ(全国健康保険協会)が定める、”未治療”の患者
さんの「血圧値に応じた医療機関の受診勧奨基準が基準が160/100mmHg以上」である点が
角に注目されたのではないかと考えられます。
なんとこの基準は平成25年から現在に至るまで、血圧値に応じた上記の勧奨基準に変わりないのです。
以前は140/90mmHg以上でした。そこからの引き上げが、今回の誤解に繋がったと考えられます。
令和6年4月から厚労省による「標準的な健診・保健指導プログラム」が一部改定されました。そこに
特定健診等の”未治療”の患者さんの「血圧値に応じた医療機関の受診勧奨基準」について、下記の通り
医療機関の受診を勧奨していますが、実は平成30年版と変わりないのです。
①上の血圧が160以上or下の血圧が100以上
→すぐに医療機関への受診勧奨
②上の血圧が140以上160未満or上の血圧が90以上100未満
→生活習慣を改善する努力を1ヶ月間した上で、”改善しない場合”は医療機関への受診勧奨
今回の誤解は①の「すぐに医療機関の受診をすべき」血圧基準が強調されたためと考えられます。
つまり診断基準も目標値も変わりありません。心配なのは今まで治療を受けていた患者さんが、
急に血圧の薬を中止あるいは減量し、これまで取り組んでいた減塩や運動を減らしていいですよ〜
と言う促しでは決してないのです。今まで通りの治療を継続しましょう。