2026.01.10

いりたに内科事件ファイル

クリニックで外来をしていると、毎日「あ〜事件だなぁ」と思うこともあります。我々にとって事件と言っても殺人や窃盗などは関係がなく、つまり刑事事件ではなく、なんでこんなことになるまで放置していたのかな?という身体の問題が多いのです。ですが、昨年8月にある事件が起きたのです。当初すご〜くいい人だなと思っていた人に半ば裏切られるということがありました(患者さんではないですよ)。ものすごく残念な思いをしました。半年近く経過しましたが未だ傷癒えることはなく・・・といった気分です。人間は自分が思っている以上に楽観的だと言われています。日頃から車やバイクを運転している人ほど「自分は事故を起こさない」と思い込みがちです。災害のニュースでも「大変だねぇ」と他人後にのように考える人がほとんどです。理由は簡単。起こりうるリスクから目を背けていれば余計な不安を抱えることはないのですから。つまり精神的に楽なのですね。実はこれ、対人関係においても同様です。初対面の人には「きっといい人」と思い込むバイアスが自然と機能しているのです。性善説ですね。相手に期待感を持ってポジティブに接することでファーストコンタクトがうまくいく可能性も高まって、結果双方の利益に叶うのです。この初対面の人を肯定的に見ようとする心理の働きを「パーソン・ポジティビティ・バイアス」と言います。まさに、勝手に自分でバイアスに騙されていたのです。9月にネガティビティ・バイアスについて語りましたが、まさにこれはその逆。良い人と信じていたかったのですね。大変勉強になりました。