2025.10.04
お腹さえ減らなければ…

毎日決まった時間になるとお腹すきませんか?時には「ぐぅ~~」とお腹が
なってしまったり。そして、食事をすればお腹がいっぱいになって、そこで
食べることをやめます。この食行動に関するリズムはどのように維持されて
いるのでしょうか?
脳の中央の底部に近いところにある視床下部という部分に、食行動に関する
重要な中枢があります。空腹を感じて食行動を起こす中枢を摂食中枢と言います。
逆に満腹を感じて食行動を抑える中枢を満腹中枢といいます。食欲が増して
食べ過ぎると肥満が起きますよね。肥満になると私の体のように脂肪細胞が
増えてしまいます。この脂肪細動からレプチンというホルモンが分泌されます。
レプチンは視床下部に作用して摂食を強力に抑える働きがあります。同時に、
レプチンは脂肪の分解を促進する作用もあるのです。食欲を抑えてくれて、しかも、
脂肪を分解してくれるレプチンは夢の「やせ薬」ではないかと思いませんか?
しか~し、すでに肥満の人にレプチンを投与してもやせ薬としては効果がないことが
明らかになっているのです。これをレプチン抵抗性とよびますが、この抵抗性を
弱めるための研究も進行しています。これがうまくいったら根本的に痩せられるはず
そう信じて今日もお腹一杯ご飯を食べます。皆さんそして私の望みは完全に断たれた
わけではありません。因みに、拒食や過食といった摂食障害の発症には精神的・心理的な
要因が深くかかわっていますが、視床下部の食欲中枢がどのように関係しているのかは
いまだ不明とのことです。