お茶と鉄
夏もち〜かづく、八十八夜🎵という童謡を聞いたことありますよね?私はハーモニカでこの曲を演奏するのが好きです。簡単で演奏しやすいからです。今日から5月です。5月は一年中で一番緑が美しいのです。貧しすぎるほどの緑の葉の間から色とりどりの花が顔をのぞかせます。この季節は、薔薇、朴の花、桐の花、卯の花、牡丹、藤、アカシアなどが一斉に美を競うのです。冒頭のお茶に戻りますが、立春から数えて八十八日目を八十八夜と言います。この八十八夜に積み始めるお茶を新茶と呼んでいます。時期になると、新茶として昔からその香りと味の良さから貴ばれてきました。ですが、五月初めに八十八夜の新茶として売り出されているものは、実際にはもっと前に摘み取られたものなのです。お茶のおいしさは、主としてアミノ酸(甘み、旨みの素)とタンニン(苦味、渋みの素)の微妙な組み合わせによって決まります。八十八夜よりも早く積んだ茶葉にはタンニンが多すぎ、アミノ酸が少ないのです。つまり香りが良いものの味の方はイマイチ足りないのです。それが、八十八夜を過ぎる頃から茶葉に含まれるアミノ酸が多くなり、タンニン酸が減ってくるので味の方がぐんとアップするのです。だから新茶がうまいのです。このお茶、鉄欠乏性貧血の人たちが内服している鉄剤から目の敵にされているようです。家庭医学書にも、鉄剤を内服している間は”お茶を飲まないように”とか”鉄剤を飲んだ後は1、2時間はお茶を飲まないように”などと記載されています。これは鉄剤を飲む前後にお茶を飲むと、お茶の中にあるタンニンが鉄と結合して沈殿することで腸からの鉄の吸収を妨げるからと説明されています。このお茶と鉄の相性の悪さ(ある意味良さ)は、一般の方にも常識化しつつあります。ですが、日本臨床血液学会で原田契一先生が中東どの貧血の方を選んで、鉄剤服用30分後に緑茶を飲んだグループと飲まないグループに分けて貧血の回復の度合いを調べたところ、この二つのグループには明らかな差異が認められませんでした。つまり、お茶は長年にわたり無実の罪を着せられていたことになります。可哀想に・・・兎にも角にもお茶が美味しい時期になっているので美味しいうちにたっぷりと味わなければ損だと思いますよ〜