お風呂で指に皺ができるのはなぜ?
みなさんは、入浴してお風呂から上がる目安はなんですか?私は数を数えるようにしています。1、2、3…とやっていけば不正しがちなので英語で100→99→98といった感じで一筋縄では行かないようにしています。ある人はふやけて指が皺皺になるのを目安にしている人もおいでます。この入浴による指の皺はただ「ふやけた」結果としてできるわけではないのです。手掌側、特に指先にシワができやすいことにヒントがあるのです。このシワが出来る機序として「ふやける」ことです。表皮が水分を吸って膨張することが機序の一つとして考えられます。もう一つの機序は血管攣縮です。お湯に手をつけておくと手指の血流が低下して、皮下組織の体積が減少します。そして皮下線維に引っ張られて、表皮にシワができるのです。この血管攣縮を制御しているのは自律神経です。手指のシワができない場合は、神経障害を疑います。手指のシワがお湯によって誘発されない場合、神経障害の中でも自律神経障害を反映していて、糖尿病患者で認めやすいことは古くから知られていました。手の震え、小刻み歩行などで有名なParkinson病患者さんも自律神経障害を起こす疾患として有名です。興味深いことに運動症状に左右差がある場合は、運動障害を認めない側で手指のシワができにくくなります。また湯温は20〜40℃までは温度が高くなるにつれて、シワの出現までの時間は短くなります。20℃まではシワの出現まで9.4分かかりますが、40℃では3.6分で出現します。そのために冷水を扱う仕事よりも入浴後に手指のシワに気づかれることが多いのです。Aquagenic wrinkling of the palms (AWP)という病態があります。水により手掌に皺が生じる症候群と直訳できますが、水への曝露で急速に浮腫性の透き通った黄色〜白色の丘疹・局面を手掌に生じるということでしょうか。診断は水につけて7分以内に皺が生じるかどうかということです。日本人では稀ですが、欧米では嚢胞性線維症という疾患に見られる病態です。日本人では、ある種の降圧剤(ACE阻害薬、ARB)、抗菌薬(アミノグリコシド系)、アスピリンなどの内服で認めることもあるようです。