かかりつけ医とかかりつけ薬局
皆さん、ポリファーマシーという言葉を聞いたことがありますか?
ポリ:たくさんの、ファーマシー:薬剤、薬です。つまりたくさんの薬を言います。
もちろん、ポリファーマシー=多剤併用状態のことを言います。皆さんは、お薬を
何種類、何剤内服しているのでしょうか?2017年に報告された厚生労働省の
「高齢者医薬品適正使用検討会」の資料によると、2疾患以上の慢性疾患を有する
高齢者の方は、平均5.8剤内服しており、6剤以上の方が29.3%おられました。
さらに、認知症に慢性疾患を合併する高齢者の方は平均5.7剤と変わり無いのですが、
6剤以上の方が47.4%約半数おられました。10剤以上内服している人は12.9%いることに
驚きを隠せませんでした。もちろん、心配だから内服したいと希望され始まった治療ですが、
もはや、どれを中止したら良いのかもわかりません。
通常、成人の用法用量でも高齢者では、注意が必要となる副作用があ離、薬剤の種類が多くなること、
特に6剤以上で薬剤関連の有害事象の頻度が高くなる傾向があるとされます。
どこかの有名な?先生が言っていた言葉に年齢➗10は、病気を持っていると考えて診療しなさいと。
つまり70歳の人であれば7つの病気を持っているわけで、その治療を全て行うとすると
薬の処方が多くなるだけなのです。もちろん内服薬の種類も多くなれば副作用も出現します。
何が正しい処方なのか?同じ病気であっても、腎機能や生命予後、その方のADLによっても変更する
こともままあります。薬を減らしてくださいと言われることもありますが、循環器疾患の治療薬を減薬
しにくいのが本音です。薬が増えれば増えるほど、眩暈や転倒、肝機能障害、低血糖、認知機能低下など
色々な有害事象が増加します。ポリファーマシーになる原因としては、医者のセンスがないのはもちろん
なのですが、患者さん自身が必要以上に多くの診療科・医療機関を受診することが原因となっています。
ご自分のお薬手帳を活用して、かかりつけ医とかかりつけ薬局を持つことでリファーマシーを
回避できれば良いですね。いや、回避しなければいけません!!お気軽にご相談くださいね。