誰か〜しゃっくりを止めてください!
皆さんは、今まで一度はしゃっくりの経験はあると思います。それほど身近な現象
とも言えるのではないでしょうか。しゃっくりという現象は、「意図しない横隔膜の収縮」です。
横隔膜は胸とお腹の境にある筋肉の膜上の構造物です。焼き肉でいうサガリ・ハラミですね。
呼吸をするための筋肉です。横隔膜が意図せずに突然収縮してしまうと、人間は急速に
息を吸い込まされてしまいます。その後、空気の通り道にある声門と呼ばれる蓋が閉じて独特の
「ヒッック」のような音が漏れ出てしまうのです。この一連の動きがしゃっくりなのです。
しゃっくりは背の高い男性に多い傾向があり、低身長の女性には少ない傾向にあるようです。
意義などは明確になっていませんし、病的な意味合いも少ないとされています。
しゃっくり100回したら死ぬ!とか子供の頃言われた気がしますが(北海道だけでしょうか?)、
実際のところ48時間以内に収まることが多く、48時間以上継続する時には背景に病気が隠れている
可能性を考えなくてはいけません。教科書的には、横隔膜膿瘍(膿が溜まっている状態)や、肝臓がん、
肺炎などが隠れていたり、しゃっくりの原因として肺炎がわかり、その原因が新型コロナウイルス感染症
だったということもあります。薬が原因となることもあります。
そんなウンチクよりも、「じゃあ止め方を教えてよ!」ということになりますよね。
基本的には迷走神経の働きを高める行動や横隔膜の動きを止めるような行動が有効と言われています。
10秒程度の息堪え、冷たい水を飲む、ベロを引っ張るという方法もあります。
時効なので披露しますが、研修医1年目の時のアルバイトの時です。に出かけ、しゃっくりの人が
来院されたのです。虎の巻には「柿のヘタを煎じたものを飲ませる」などと書いていました。
そんな悠長なことできるか!患者は今目の前にいるんだぞ!!!と思いながら、
私が思いついたのは「わーーーーー!」と驚かす方法。笑。今では、プリンペランやウインタミン、
クロナゼパム、芍薬甘草湯、呉茱萸湯、柿蒂散など戦えるアイテムが思いつきますが、
医者になって数ヶ月、力の限り患者さんを驚かせました。
もちろん、驚き、椅子からずり落ちそうにながらも、ピッタリとしゃっくりも止まり、
その効果に私もびっくり。苦い思い出です。その時の患者さん、ごめんなさい。