みんな飲みたい抗生物質?
風邪で受診される方、これから増えていく時期です。とても不謹慎ですが
クリニックとしてはありがたいのです。ですが、ここまで開業してから1年半。
診断・治療が難しいな・・・と内心思っているのが風邪です。風邪なんて・・・と
思って受診される方がほとんどですよね。風邪の薬って極論言えばクリニックによって
の差があまり出ないのです。そもそも風邪なのか、もっと重症な病態が隠れているのではないか
そんなことを考えながら診療しています。「後医は名医」ということご存知ですか?
あとで見た医者の方が名医であるという諺です。正直普通の風邪症状であれば2週間で
治ってしまうのです。9月ごろに散見したマイコプラズマ感染症や百日咳感染症は
正直、血液検査やレントゲン(場合によってはCT)で診断していました。マイコプラズマかな
百日咳かな、いやいやもっと違う感染症かもと診断に至るまでに沢山のクリニックを受診し
治りがけに当院を受診していただく方もいらっしゃいました。まさに名医の誕生です!笑
そして皆さん、決まって沢山の抗生物質を処方されているのです。私としては大変勉強になるというか
「へ〜そう考えたのかな?」と思いながら治療をします。でも、普通の風邪(感冒)の方も
「え!そんなに抗生剤内服して大丈夫?」と思える方もおられます。ちなみに、風邪のうち
80〜90%を占めるウイルス性の風邪には抗生物質は無効です。もちろん、溶連菌感染症や
マイコプラズマ感染症といった細菌性の感染症には抗生物質による治療が必要です。
免疫機能が低下している方、肺の病気で在宅酸素療法をしているような方は、細菌の二次感染を
起こすと重症化しやすいので、風邪であっても初期段階から積極的に抗生物質を投与します。
ウイルス性の風邪は免疫力でウイルスを退治して、炎症が治るのを待ちます。つまり、自然治癒しか
ないのです。十分な休養をとって、タバコやアルコールを控えて食事は食べすぎないように注意して
水分を積極的に摂りましょう。結局は美味しいものを食べて寝るに限ります。
でも、当院には気軽に受診してくださいね〜