めまい、たちくらみがして・・・貧血っぽい
貧血!多くの人が今までに何回も耳にしたことがある疾患ですね。
血が貧しいと書くので血が足りないの・・・と思い込んでいる方もおられると思います。
血液の中には赤血球と白血球と血小板という血球成分が、血漿と呼ばれる液体成分に混ざっております。
この中の赤血球に含まれているヘモグロビンの濃度が低下した状態を貧血と呼ぶのです。
ヘモグロビンは主に鉄分からできており、吸い込んだ酸素とヘモグロビンが結合して血流にのって
全身へ酸素を運搬する重要な働きをするのです。
貧血の原因を詳しく見てみると・・・
①赤血球の産生数の減少
骨髄レベルの異常:赤血球がつくられる際に骨髄で腎臓からのホルモンとビタミンAが不足してしまう。
赤芽球レベルの異常:ビタミンB12や葉酸不足により赤血球が成熟できなくなってしまう。
②赤血球の消費量増大
出血や赤血球膜の異常による赤血球の脆弱性亢進(弱く破裂してしまう)。
貧血の診断基準であるヘモグロビンが正常範囲であっても、体内の貯蔵鉄であるフェリチンが不足している
かくれ貧血(潜在性鉄欠乏症)に該当する人もかなり多く存在します。平成21年度の国民健康・栄養調査では
20~49歳の閉経前の女性で約65%の人が重度のかくれ貧血に該当するようです。なぜ発見されにくいのか?
一般的な血液検査ではヘモグロビンはみていますが、フェリチンは検査項目にはないからです。
我々は生後間もなくから成長とともに大量の鉄が必要となります。特に初潮を迎えた女性はより多くの血液を
失い、鉄の喪失を伴うのです。さらに妊娠期には胎児の成長に伴い、胎児の赤血球の合成や成長に大量の鉄
が必要とされるのです。つまり、女性は生後間もなくから鉄欠乏にさらされてしまうことになります。
明日は何を食べればよいか、診断についても触れてみます。お楽しみに・・・