2024.05.24

アナフィラキシーに注意

私は今、近隣の小学校と中学校の校医をしております。

昨年の6月の開業のタイミングで依頼がありお勤めさせていただいております。

ただ、就任当初より脳内でイメージトレーニングを繰り返していることがあります。

生徒さんの学校給食によるアナフィラキシーが起きてほしくない事案です。

アナフィラキシーとは、アレルギーの元になる物質(アレルゲン)が体に侵入することで

複数臓器に全身性にアレルギー症状を惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応を起こすことです。

私事ですが、外科時代からいつも最悪を想定してPlan A→Plan B→Plan Cなどのように計画を立てる癖

がありますので最悪の事態にならないようにするためにはどうすべきかと脳内で妄想しています。

アナフィラキシーの既往がある子が、皮疹・呼吸器症状を訴えており、アナフィラキシーが疑いの場合。

たとえ学校でもエピペンがあれば使用を躊躇う必要はなく、日頃からアナフィラキシー発症時の対応を

関係者で確認・トレーニングしていなくてはいけないのです。

小児のアナフィラキシーの有病率は小学生0.6%、中学生0.4%、高校生0.3%という報告があります。

近年の動向としては、原因食品別のショック症状の発生頻度を見ると、カシューナッツ(18.3%)、

小麦(17.0%)、くるみ(16.7%)、そば(16.5%)、落花生(15.4%)の順で高いという報告があります。

診断基準としては、食事接種後に数分から数時間で皮膚、粘膜組織またはその両方に症状があり、

呼吸不全、血圧低下、重度の胃腸症状のうち少なくとも1つを伴う場合にアナフィラキシーである

可能性が非常に高いと推測されます。また、典型的な皮膚症状がなくても急速に症状が出現した場合も

疑わなければなりません。最悪の事態に備えるためにもエピペンを使えるように、衣類の上からでも

注射できること、注射針は15mm程度出てくることなどを押さえておくと良いかもしれませんね。