2026.05.02

アリを殺すのにバズーカ砲!?

毎年ゴールデンウィーク明けは風邪の方が外来に集中される印象が強いです。恐らく新型コロナウイルス感染症とも共存しつつあり遠出されて、疲れが溜まり免疫力が低下して感冒(風邪)を引いてしまうのではないかと私は妄想しています。皆さんは、当院通院中であれば私に、「ウイルスには抗生物質なんて効かないのです。〇〇さんは風邪のウイルスなので、抗生物質は不要なので、解熱剤だけ処方します」と言われたという方もいるでしょう。皆さんいうところの風邪(感冒)はウイルスが原因となっているのです。一方の細菌は顕微鏡で見えるぐらいの大きさで、抗生物質はこの細菌の壁を壊したり代謝を邪魔したりして効くものなのです。抗生物質はいわゆる医者の切り札で細菌をやっつけるバズーカ砲です。細菌もその種類によってそれぞれ人体の中でも好きな臓器、嫌いな臓器があって好みの臓器に棲みつく習性があります。喉に住みつけば咽頭炎となり、肺に住みつけば肺炎となります。咽頭炎で有名なのは溶連菌感染です。喉が超痛くなって、熱が出て合併症として腎臓が壊れたり、リウマチ熱によって心臓の弁が破壊されたり、喉の奥に膿の塊(膿瘍)を作ってしまうようなこともあります。抗生物質はそもそも細菌に合った抗生物質を使わないと効果がありません。一方、ウイルスは細菌の大きさの直径1/1000くらいの大きさしかないので特別な電子顕微鏡でしか見る術がないのです。わかりやすくいうと、細菌を引き伸ばして直径1mmになります。まるでライオンとアリくらいの違いがあるのです。こんな小さなウイルスにはバズーカ砲は効きません。細菌感染の方が通常はウイルス感染よりも厄介で悪いライオンをやっつけるために医者はバズーカ砲を打ち込むのです。だからバズーカ砲(抗生物質)がもともと効かないアリを殺すのにバズーカ法を使ったらどうなると思いますか?そこら中穴ボコになってかつ焼け野原になってしまうのです。体の中にいるいい最近までもが同時に殺されてしまい、抗生物質が効きにくいさらに性質の悪い細菌が増えてくるのです。この事を菌交代現象と言います。ただの風邪なのにバズーカ法を打ちまくることはいい細菌が死んでしまって、抗生物質が効きにくい細菌(ハイエナ)が出てきた感じになります。ただの風邪に抗生物質を内服することでこの菌交代現象が8倍起こりやすくなるのです。抗生物質が効かないアリをやっつけるのにそれでもバズーカ砲を使うことに抵抗はありませんか?いいライオン(善玉菌)はそのままにしておいて、ハイエナが出てこないようにしてもらう方が体の為だと思います。