2026.01.02

クリスチャン・バーナード

バーナード!?クリスチャンといえばロナウドだろ!とおっしゃるサッカーファンの方も多いのかなと思いきや、彼はクリスティアーノ・ロナウドでした。今日は私の憧れていた心臓移植のお話。人の心臓移植は異種移植で始まりました。異種というのは人間の心臓を人間にではなくて、動物の心臓を人間に移植することになります。1964年1月27日、米国のミシシッピー大学のジェームス・ハーディーは重篤な心不全患者にチンパンジーの心臓を移植しました。手術は成功したものの、人の3分の1くらいの大きさしかないチンパンジーの心臓は、心臓を止めている間に肩代わりする人工心肺を止めた(つまり手術を終えた)後1時間しか持たなかったのです。米国での人から人への心臓移植は同年11月には機運が高まり、いつ先陣争いの火蓋が斬られてもおかしくない状況にありました。ですが、それは思わぬ国から現れたのです。南アフリカのクリスチャン・バーナードが1967年12月3日に54歳の男性に若い女性の心臓を移植したのです。30人のスタッフで9時間に及ぶ手術は成功したのですが、術後18日目に免疫抑制剤が原因となった肺炎で患者さんは亡くなってしまいました。ですが、バーナードは明くる1968年1月2日に2例目の手術を敢行し、患者Philip Blaibergは術後594日間の長期生存を果たしたのです。バーナードは一躍世界のスーパースターになったのですが、米国の医療界は反感を示したのでした。なぜならば米国で学んだ彼が功名を挙げたからです。バーナードの1例目の手術から15ヶ月間に18カ国で118件もの移植手術が行われたのですが、そのほとんどが術後早期に死亡しております。そのため心臓移植フィーバーは急速に冷めて、心臓移植はその後10年以上にわたる凍結期間を迎えることになったのです。2023年の統計では日本国内だけで1年間に115件の移植手術が行われています。ですが、需要はあるもののドナーの心臓が不足しており(供給が不足)、なかなか思うように心臓移植が行われていないのが実情です。