ゲバラ処刑

エルネスト・チェ・ゲバラ(1928~67)は、1959年1月にキューバで社会主義革命を
成功させ、カストロ革命政権下で要職にありながらも、一国の革命に飽き足らず
ボリビアに潜入して捕えられ、1967年の今日10月9日に銃殺・処刑されました。
ゲバラは、ブエノス・アイレス大学医学部在学中にモーターサイクルとヒッチハイクで
南米縦断旅行を行って、1953年に学位を得た直後にも再びほとんど全ての米州諸国を
旅していたのです。この様子を小説にしているのが、ブラックペアンやチーム・バチスタ
の栄光などを執筆した海堂尊先生です。ポーラースターという小説で一巻から四巻まで
文春文庫で販売されています。興味があればどうぞご一読を!面白いですよ〜
ゲバラがこのようにして旅行中に各地で目にしたのは、病気で子供が亡くなっても、何も
感じなくなるほどひどい貧困の状況でした。「その時私は、有名な研究者になるとか、医学の
世界で重要な業績を残すとかと同じくらい大切な何かがある、ということに気づき始めた」と
いう言葉を残しています。漠然とそうした人々の力になりたいと考えていたゲバラでしたが、
ガテマラで軍事クーデターを体験したことで社会主義革命一筋に転向したのです。キューバ革命
直後の1960年8月20日に行った演説「医師の任務についてー私は全てを旅で学んだ」で
ゲバラは、キューバの若い医師に対して「同胞のために働いているのだという自負は、良い給料を
もらうことよりずっと大事なのだ」「医師一人一人は、自分の仕事を通じて、人々から感謝される
という貴重な宝物を積み上げていくことができるし、それが義務なのだ」と繰り返し諭しています。
公衆衛生的な考えというよりも、もはや政治家なのです。すごい人物だなと思い小説を読みました。