ゾッ~とする話
「ゾウの時間 ネズミの時間」という書籍をご覧になったことはありますか?私は高校生の時に
読みました。ゾウは100年近く生存するのに、ネズミは数年しか生きられないというもので、我々の
物理的な時間で考えるとゾウの方が圧倒的に長生きなのです。でも、動物個体の体重と寿命の間には
関係性があって、時間(寿命)は体重の1/4乗に比例するという法則があるのです。
30gのハツカネズミと3トンのゾウでは体重が10万倍(18の4乗倍に相当)違うので、時間は18倍
違い、ゾウはネズミに比べて時間が18倍ゆっくりということになります。ネズミの寿命が短く、ゾウの
寿命が長いと言っても、動物個体で起こる現象のテンポが速いので、一生を生きた感覚は物理的な時間は
異なっても同じ可能性があります。生物学では面白いことに体のサイズで時間の単位が変わるのです。
これを生理的時間と呼びます。神様は万物に平等に与えたはずの時間が、実はゾウはゾウの時間、
ネズミはネズミの時間、入谷には入谷の時間、ポンポンにはポンポンの時間ということになります。
ネズミは短命だから不幸なのか?ゾウは長生きだから幸せなのか?これは何とも言えません。
同じことが我々人間にも言えると思うのです。
心拍数で考えてみると1回の心拍の時間はネズミは0.1秒、ヒトは1秒、ゾウは3秒です。それぞれの
動物寿命を心拍で割ると哺乳類はどの動物であっても一生の間に、心臓が20億回拍動します。
つまり20億回拍動したらどの動物も死ぬのです。怖い話ですよね?私が興味深く思うのはヒトで脈拍が
早い人、遅い人で、体重が重い人、軽い人で寿命が違うのかということです。
生物学的には動物は体格が大きくなると寿命が長くなります。理由は、体格が成長するまでに時間を
要すること。大きくなると病気やけがに対する抵抗力が高まることです。体格が安静時の心拍数と寿命を
決めているのかもしれませんね。体の小さな人が短命であるということはありませんので要注意です。