ダイエットと糖質制限
僕は米、麺類など一切食べません!とでも言ってみたいのですが、
日本人が米や麺類などの糖質を摂取しない糖質制限を行うことは、かなりハードルが
高いと思っております。もちろん外来で糖尿病患者さんには夕食の際の糖質を減らすように
お勧めはしますが、日本人の大多数の方々はやはりお米が大好きなのではないでしょうか?
糖質は人間の体を動かすエネルギーになる栄養素です。肝臓・筋肉でグリコーゲンという物質に
変換されて貯蔵されますが、それでも糖質が余った場合に体脂肪として貯蔵されるのです。
行き過ぎた糖質制限を行うことで、栄養のバランスが崩れてタンパク質が不足します。そのため、
体の筋肉が衰えて骨密度が下がり、骨粗鬆症になる恐れもあります。便秘や肌荒れをきたすこともあります。
糖質を減らしたい人はいきなりゼロにするのではなくて、ご飯の量が多い丼ものを避けて、
定食などを選択しバランスのよい食事を心がけるべきだと思います。
1食のご飯は茶碗1杯が150g程度なのですが、90g程度に抑えると良いと思います。結構少ないですよ。
また主食も白米よりも、五穀米や玄米などへ、うどんよりも十割そばへ色のついたものの方が血糖値が
上がりにくく太りにくいのです。
食事のとり方も以前の話題のように野菜から始めるベジタブルファースト(ベジファースト)→おかず→
主食の順番にすると血糖値の上昇を抑制します。寝る直前の食事もエネルギー消費されないので避けるべきです。
因みに、芸能人がたまにやっている「ケトン体質」というのは、極端な糖質制限を行うことで
脂肪を分解してエネルギー変換し、これによってケトン体が増えて体内の細胞を傷つけてしまうことがあるのです。
完全な糖質OFFはお勧めしません。バランスよく食事を摂り適度な糖質を織り交ぜた献立を考えていきましょう。