2024.03.03

ピロリ菌と胃がん

胃がんの発症率は、ピロリ菌を保持者の方が保有していない人比較して有意に

高いことが分かっています。つまり、ピロリ菌が胃がんの発症に関与していると

示唆しております。ただし、菌を保有していなくても発症することもあります。

60歳代のピロリ菌感染率は2000年には約80%でした。その後46%まで減少し、

1998年以降に生まれた人の感染率は10%以下とされております。

以前は井戸水などの環境から感染し、現在は上下水道が完備されて家庭内感染とくに

母親からの口移しが原因とされております。

ピロリ菌の感染を調べる検査は、内視鏡検査で慢性胃炎の所見があれば、内視鏡で

胃の組織をとってその場でピロリ菌の有無を調べます。

内視鏡を使わない場合でも、血液や便、呼気からピロリ菌の検査は可能です。

ピロリ菌が確認されれば、除菌療法へ進みますが、初回の成功率は9割以上を誇ります。

ですが、菌に抗生剤の耐性があれば除菌しきれません。その場合はクスリを変更して

2回目の除菌に挑みます。それでも除菌できなければ経過観察となります。

このように除菌することで、すでにがん化している病変があれば除菌だけでは胃がんを

防ぐことはできませんが、ある程度の胃がん予防効果はあるものと考えられます。

ピロリ菌と気軽に読んでいますが、正式名称はヘリコバクター・ピロリ菌です。