ランゲルハンス島の午後
村上春樹さんの書籍で「ランゲルハンス島の午後」という安西水丸さんとの共著があるのをご存知で
しょうか?エッセイ集なのですが、安西水丸さんの絵がカラフルでどこか心が落ち着く不思議な本です。
で、本題に入りますが、皆さんの血糖値を降下させる唯一のホルモンはインスリンなのですが、
インスリンはなんとなく耳にしたことがあるのではないでしょうか?このインスリンという言葉に
「島」という意味があるのです。”insulin”はラテン語の”insula(島)”と化合物を表す接尾語の”in”から
できていて、島とは言うまでもなく「ランゲルハンス島」のことなのです。いったい何のこと??と
お思いになるのは普通です。もともとドイツの病理学者のランゲルハンスさんが、膵臓固有の線組織とは
明らかに異なる島状の組織が膵全体に散在していることを報告したのが1869年です。明治時代です。
彼が亡くなってから1893年にフランス人の組織学者ラッゲスがこれらの組織を「ランゲルハンス島」と
名前を付けて、内分泌と関連あるものと示唆したのが始まりです。インスリンとして発見されたのは
カナダのバンディングとベストにより1921年(大正10年)に発見されています。
ランゲルハンス先生は、1873年にフライブルグ大学の教授に就任したものの間もなく結核に罹患し、
1875年に療養のためにマデイラ島に転地しました。彼はそのまま島に残り、島の中心地のフンシャルに
開業しながら生物学の研究をしたそうです。1885年に結婚した彼は3年間の幸せな時を過ごした後に、
尿毒症で亡くなってしまいます。ランゲルハンス島と呼ぶにふさわしいのは、マデイラ島の方かも
しれませんね。今日7月20日に41歳目前にランゲルハンスさんが亡くなった日です。
※マデイラ島:モロッコの西の大西洋に浮かぶ島 カナリア諸島の北方にある ポルトガル領