レスベラトロール?
私が医者になったのは2002年です。そう考えればもう20年選手なんですね。時が経つのは早い!
悔し涙を流していた研修医時代が懐かしい限りです。その翌年2003年世界中の研究者の注目を浴びた
Nature誌(研究者が憧れる有名医学雑誌)にレスベラトロールが長寿遺伝子のサーチュイン遺伝子の
酵素活性速度を増強する活性するという報告がなされたのです。
サーチュイン遺伝子は普段はあまり活躍していないのですが、老化した細胞の傷を修復する機能を
上昇させるのです。つまり、死にそうになった細胞が赤ちゃんの時のように元気な細胞にしてくれる
働きを持っているのがサーチュイン遺伝子なのです。スゲーーーーと思いませんか?この論文が出た後、
効果を実証するための追試験は数多く行われ有効性が実証されてきました。それなのに2007年にこの
発見が実験上のミスではないかと報告されまた大騒ぎになったのです。これは小保方さんのSTAP細胞
のように再現ができなかっただけでレスベラトロールの発見も嘘ではないかと思われました。しかーし、
レスベラトロールの発見は間違いなかったのです。このレスベラトロールはサーチュイン遺伝子の発現
を促進する活性が強いのでメタボリックシンドロームや老化に伴う疾患を予防する機能があるのです。
このレスベラトロールを摂取するにはどうしたらよいのか?その答えは赤ワインです。ブドウの種子に
レスベラトロールが含まれていて、製造過程に種が含まれているので必然的に赤ワインの中には
レスベラトロールが含まれるのです。因みに白ワインはブドウをつぶしてろ過してから得た
ブドウジュースを発酵して作るので、白ワインにはレスベラトロールが含まれないのです。
最後にショックな話題ですが、健康効果を期待してレスベラトロールを摂取するためには、どれくらい
赤ワインを飲むべきなのか?ということですよね。レスベラトロールは赤ワインに1杯多くて1g程度
しか含まれていないのです。しかも必要摂取量は1日あたり30㎎~150㎎と言われています。なんと、
30㎎としても3Lも赤ワインを飲むことになるのです。これでは、アルコール性肝炎になったり、
アルコール中毒になってしまいます。明日も、この話題で・・・