ヴィーナスに和装!?
このブログを読んでいただいているお姉さまたちは外反母趾でお悩みという方もおられるのでは?
外反母趾は足の親指のつけ根が内側に突出して、母指全体が外側に”く”の字に曲がる変形のことを
ハイヒールのような先のとがった靴を履き続けることで、ゆっくりと足の母指が曲がってくるのです。
ひどくなると第2足趾と重なり、ひどい場合だと母指が直角に曲がってしまうのです。この病気の
すごいのは、わずかな曲がりでも痛いと訴える人や強い変形にもかかわらず症状がない場合もあります。
変形の進行度と訴えが一致しないところに病気の特徴があります。
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」のヴィーナスは両側ともに外反母趾なのです。え~昔なのに~
と思いませんか?昔ほど朝起きて夜ベッドで寝るまで木靴をはいて過ごしていた西欧人にとって、
外反母趾は昔からの深刻な悩みの種だったらしいのです。ついでにいうと、ヴィーナスの左手に立つ
女神(時間の精ホーラ)は両足ともにかなりの重症の外反母趾です。皆さん裸足なのは、木靴を脱いで
解放感に浸りたかったのでしょう。西欧では、裸足になったり尻を出したりするのは極めて慎みのない
行為とされています。裸足や尻出しは上品ではないセックスを連想させるとのことで、全裸になること
よりも恥ずかしいことのようです。大阪で勤めていた時にヨーロッパの若手医師をYAMADA電気に
お連れした際にTVコーナーで相撲が放送されていました。その相撲を見てなぜ日本人なのに尻を出して
スポーツをするのかと尋ねられて答えに窮してしまいました。彼らには尻を出して戦う姿が相当奇異な
光景に映るのでしょう。外反母趾の治療は初期であれば母趾と2趾の間にクサビ状の型をはめたり、
矯正器具を用いたりしますが、どうしても症状が取れない場合は骨の手術が必要になります。かつての
日本人は下駄や草履をつっかけて足指に矯正器具をはめるのと同じ効果を与えていました。そんな状況
であれば外反母趾などは発生する暇もありません。ヴィーナスも和装して下駄や草履をはいていれば
外反母趾にはならずに済んだかもしれませんね。