中華料理店症候群
え〜そんな病気あるの〜?と思いませんか?私は中華料理が好きです。以前といっても学生時代にチェーン店で有名なお店で食中毒になりそれ以来、そのお店に入るのが怖くなりました。美味しいけれでも食べるのが怖い。そんな気持ちで石川県を去り、北海道から大阪へそして9年ぶりに石川県に戻ってきたのが2010年。それでも、やはりそのお店には入れず、昨年秋に事務長と看護師の3人で時間がない時にお昼ご飯をいただきました。その美味しさといったら・・・格安のお値段以上の感動でした。それからというものの、夜に往診に出かけた際に事務長と食べに行く事が増えました。今日は、そんな中華料理のお話です。1968年に中華料理を食べた人が、頭痛、歯痛、顔面の紅潮、頸部や腕の痺れ、動悸などの症状を訴えて、Chinese restaurant syndoromeとして米国医学雑誌のLancetに掲載されました。原因は不明なのですが、中華料理に含まれる化学料味調味料のグルタミン酸ナトリウムが原因ではないかと疑われ、動物実験で視床下部などへの悪影響が指摘されたために、WHOなどにより1日摂取許容量に制限が設けられました。グルタミン酸ナトリウムを使った調味料の一つが、皆さんお馴染みの「味の素」で、旨味を出すための化学調味料として知られています。なんだか知らないけれど、体に悪いと子供の頃に言われたのはきっとこの事件のためだったのかもしれません。その後、米国で臨床試験が行われ、中華料理店症候群になったことのある被験者にグルタミン酸ナトリウムを大量に含む食事を与えても症状が再現されず、グルタミン酸ナトリウムと中華料理店症候群の関係は証明されませんでした。その後も追試され、2000年には悪名高い中華料理店症候群は学術的に否定されています。ですが、グルタミン酸自体には血管収縮作用があるので偏頭痛の原因の一つとされています。ちなみにグルタミンはアミノ酸ですが、グルタミン酸はアンモニアを介してL-グルタミンに変換されます。このL-グルタミンは胃薬のマーズレンSの主成分です。いりたに内科に通院している人であればきっと一度は処方されている紫の粉薬です。また、最近、中華料理店で出火される火鍋で一酸化炭素中毒が多く起こることから、これを新しい中華料理店症候群と呼ぶ人たちもいるようです。