乳酸菌で風邪予防!?
皆さん、乳酸菌を積極的に摂っていますか?なんだか、お腹の調子も整えるし、病気の予防も可能だし、
ストレス軽減も可能!万能じゃーんと思っている方も多いのではないでしょうか。
中でも「風邪予防ができる」というのはこの乳酸菌のいい話の代表格ではないでしょうか。
信じてやまないかたも多いでしょう。でも実際はどうなの?そもそも「風邪予防ができる」というのは
腸での乳酸菌の働きゆえんです。なぜ、腸で働く細菌が鼻や喉に感染するウイルス感染症に有効な可能性
があるのでしょうか?体の中の免疫を担当する細胞が警察だと考えると、ウイルス・細菌は犯罪者であり
常日頃から犯罪が起きた時の予行演習をしておりますが、乳酸菌をはじめとする腸内細菌は犯罪が起きた
時のためのトレーニングの機会を与えているのです。つまり乳酸菌は体にとって「協力者」的な
トレーニング相手となっているのです。この乳酸菌が本当にいい働きをしているのかということを
検証するために2つのグループで乳酸菌を与えるグループと与えないグループで差が出れば効果的である
ことがわかります。12の研究が行われて乳酸菌を飲んでいる人たちは風邪のエピソードが47%少なく、
風邪を発症しても苦しむ期間が1.89日短縮したと報告されていますが、残念ながらこの研究をまとめた
メタ解析と言いますが、研究の質があまりよくないのです。それぞれの試験の参加者が少なすぎたり、
偶然の差の可能性が否定できなかったりととにかくイマイチなのです。だから、この研究で乳酸菌は
風邪予防に効果的です!とは言い難いのです。もちろん否定的というわけではなく、不確定なのです。
有効とも、無効とも言えない状況で今後の質の高い研究に期待するほかないでしょう。
信じて毎日乳酸菌をとるのは決して悪いことではありませんが、風邪予防のために新たに始める理由は
ありません。それならば、従来の手洗い、マスク装着の方が確実な感染対策と言えるでしょう。