2024.08.04

五十肩は老化なのか?

患者さんとお話をしていると「最近肩の調子が・・・」とか「五十肩かな・・・」

などとなどと40〜50代の皆さんがよく訴えられます。

五十というと、ちょうど老化の始まりでもありますし、老化を感じやすい年齢であること

は間違いありません。では、本当に老化のサインなのでしょうか?

二十肘や七十膝などもあれば、「ああそんな歳になったのか〜」などと年齢を感じる通過儀礼

のようなものだったかも知れません。実際には肩関節周囲炎とか癒着性肩関節包炎というのが

正式名称です。なんとなく五十肩!の方が馴染みがありますよね。

この五十肩は、関連のある病気・状態があります。

・糖尿病 ・甲状腺疾患 ・脂質異常症(高コレステロール血症) ・脳卒中

・自己免疫疾患 ・パーキンソン病 ・肩の怪我 ・肩を動かさないこと です。

この中でも、糖尿病の人のうち五十方を発症するのは10%と高く、最大20%にもなることが

あると報告されております。上記の疾患に関連する方は要注意です。注意してもなりますが・・・

五十肩の発症のメカニズムは今のところ不明です。多くの方は、50代になると原因不明の

肩関節周囲の炎症が起き、関節周囲に繊維質ができてしまって動きを制限するようになるようです。

多くの方は、数年かけて回復します。数%の人は長期にわたり深刻な障害を残す可能性がある

ことも報告されております。「一生付き合っていかなくてはいけない病気」と考えると暗い話題ですが、

多くの場合は、一時的な炎症であり必ずしも老化のサインではないのです。

一度発症してもほとんどの人が数年で回復していることを覚えておいてください。