2025.02.09

今年は「べらぼう」

そうです。今年の大河ドラマは「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で横浜流星さんが主演されます。

いつもお世話になっているTUTAYAが江戸時代から続いていたと思ったのですが、どうやら違います。

主人公の蔦屋重三郎(蔦重)は江戸時代生まれ、生まれた時は9代徳川将軍の時代だったのです。

ドラマでは10代将軍がメインなようですが、実は9代将軍の徳川家重は以前より興味がありました。

幕府の公式記録の徳川実紀においても「御多病にて、お言葉さわやかならざりし故、近侍の臣といえども

聞き取り奉ること難し」とあります。続三王外記には「家重は歩行に難があり、たえず首を左右にふって

いた」とか「重い言語障害があった」と記されています。つまり将軍であっても脳性麻痺だったのです。

家重の不明瞭な発声を聞き分けることができたのは、南町奉行所大岡越前守の家系に連なる側用人の

大岡忠光1人だったようです。大岡さんが将軍の言葉を聞き取り家臣に通訳したと伝えられています。

肖像画は、眉根を寄せて唇を捻じ曲げて、頰にも不随意運動を表すシワがよっており、目は内斜視を

思わせる寄り目をきたしています。この肖像画を描いたのは御用絵師であり、本人を見栄え良く書く

のが務めなので実際の症状は肖像画以上に重たいものがあったに違いありません。

アテトーゼ型の脳性麻痺であれば、上半身の症状が顕著であり、重症の場合手指を動かせません。

通常将軍の自筆の書画が残されていますが、成人してから将軍になった人物としては異例です。

家重には一点の作品も残されていないことも脳性麻痺の重さを物語っております。

父の吉宗は心身壮健で文武に秀でており、鷹狩りを好み「鷹公方」と異名がありました。一方の家重は、

「小便公方」、「アンポンタン」などと蔑まれていたようです。ですが、アテトーゼ型脳性麻痺の方々は、

知的に優れた方が多く、家重は実際将棋に秀でた才を持っていたようです。さぞ無念だったでしょう。

徳川家重9代将軍は51歳で排尿障害を起こして衰弱し他界されました。264年前のお話です。