2024.02.02

休肝日をつくりましょう!

今年のお正月は能登半島地震の影響もあってお酒を飲む気にもならなかった・・・

と外来でお話になる方も多いです。その中でも、お正月も普段も変わらなく飲んでしまう。

とお話になる方は、私の外来では若干女性に多いようにも感じています。理由は?

人それぞれですよね。眠れないから。美味しいからなど…様々なご意見があります。

コロナ禍の影響で家で飲む習慣がついた方もおられると思います。でも実は、外つまり店で

飲酒をするよりも家の方がたくさん飲んでしまっているデータもあります。

けなげにも肝臓は皆さんが飲んだお酒をコツコツと分解しているのです。

今日は肝臓のはたらきを考えてみます。

①代謝:たいしゃ

からだの中で利用しやすい形に栄養素を変換して貯蔵します。必要なときにはためていた栄養分を

分解してエネルギーなどを作り出すのです。肝臓は律儀で真面目なので我々が過剰に摂取してしまった

糖質、脂質、アルコールなども「いつかは必要になるかも!」と蓄積してしまい脂肪肝になってしまうのです。

②解毒作用:げどくさよう

摂取した有害物質(アルコールもそうです)や代謝の際に生じた有害な物質を毒性の低い物質に変換して

尿や胆汁中に排泄できる形にする役割(解毒作用)をもっています。有害物質があまりに多いと肝臓に

負担がかかりすぎてしまいます。だからいたわらなくてはダメなのです。

③胆汁の生成・分泌:たんじゅうのせいせい・ぶんぴつ

肝臓でつくられた胆汁が胆嚢という袋で濃くされます。胆汁は脂肪と乳化のたんぱく質を分解するはたらき

があり、この働きにより脂肪は腸から吸収されやすくなるのです。

肝臓はこれら3つ(本当は500種類ぐらいのはたらきがあります)のはたらきを中心に黙々と休みなく

働き続けているのです。

じゃあ今日から肝臓を休ませてあげるために休肝日をつくらなくては!と考える方もおられるでしょう。

実際には食事を適度にバランスよくとっている状況であれば常に、アクセル全開で肝臓が働いているわけでは

ありません。暴飲暴食を避けて時々のお休み(休肝日)をあげることを意識するよりも、肝臓に無理のない

ホワイト職場のような環境を日々提供するように意識することが大事だと思います。

因みに一日のアルコール摂取量(リミットと考えてください、どれか1つですよ1つ!)

ビール:大瓶1本633ml

ウイスキー:ダブル1杯60ml

焼酎(25度):0.6号110ml

ワイン(赤白両方):ワイングラス2杯(200ml程度)程度と考えられます。ご参考までに!