俺の話を聞いてくれ〜
先日の外来での出来事です。私は人間ができていないのでたまに怒ります。
大学で外来をやっていた頃はもっと怒っていました。なぜ怒るのか?なぜ腹が立つのか?
理由は、私の話を理解しようとせず自論を展開し私の説明の聞く耳を持たないからです。
私の話が絶対に全て正しいとは思ってもみません。だから自分が間違っていれば患者さんに
謝りますし、なるほどね〜という事があれば、正直にすばらしい!と言います。
ですが、その日の患者さんは違いました・・・
夜の9時に寝て途中で(午前2時ごろに)目が覚めてしまうので眠剤が欲しいとのこと。
目が覚める原因は?と訊ねるとおしっこで起きるとのことです。でしたら、そのおしっこを
どうにかしたら起きなくないですか?原因からのアプローチは重要だと思っているからです。
患者さんは「おしっこが原因ではないと思うんですよ・・・」
それはなぜですか?「そう思うから・・・」すでに感覚の話になっているので埒があきません。
私は身を引くという機能も持ち合わせております。私は「それでは眠剤を出したらいいのですか?」
本来このような場合に眠剤を処方することは大大大嫌いです。綺麗事を言えば睡眠衛生指導と言って
眠れない原因にアプローチできていないからです。「じゃあ処方しましょうか」とした瞬間。
「NHKの健康番組ではボケない眠剤があると聞いたのですが・・・」
その眠剤はスボレキサントであり、その研究論文も目を通して知っている上で、副作用の話も
説明し、十分に理解して頂いた上で処方することが重要なので話をしました。
その後も、NHKでは・・・NHKでは・・・と何度も話が繰り返されているうちに、
ついついイラッとしてしまいました。NHKに嫉妬しているわけではありません。
もちろん、NHKの「きょうの健康」を否定するわけではありません。ですが、目の前にいる医者と
話し合って、治療方針を決めることが最も大事なのです。これは私に限ったことではありません。
言われたままに処方したり、検査をしたりすることは決してしません。治療方針を話し合いながら
決めていく事が大事なのです。俺の話を聞いてくれ〜と思わせないでください。頑固なのでしょうか?
一緒に話し合いながら納得しながら治療方針を決めましょうね。
医者のマナーと患者のマナー両方大事だと思っています。
因みに私の好きなNHK番組はニュースウォッチ9と人形劇(ガンコちゃん)です。笑