健康を維持するために
みなさん、こんにちは。金沢市は今日も朝から寒く冷たい雨が降っています。
今も能登半島北部を中心として懸命な救命・救助活動・インフラ復旧活動にご尽力されている方々に感謝申し上げます。
残念にもお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げます。被災され今も避難されている皆様にもお見舞い申し上げます。
私のような開業医はこのような状況で全く役に立ちません。一昨日、昨日と能登方面から避難されてきた方の健康管理および
今まで内服していたお薬を継続処方しお話を伺うことしかできません。全くの無力で情けなくもなります。
全国各地からDMAT、JMAT、DPATなど医療関係スタッフの皆様が最前線に立っていただいていることに頭が下がります。
本当にありがとうございます。
今日は東北メディカル・バンク機構の予防医学・疫学部門の寶澤 篤教授らのグループによる、東日本大震災に伴う災害による健康影響に関する文献レビューの成果が日本循環器病予防学会誌に報告されておりました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災は東北地方太平洋沖沿岸部に壊滅的被害を与え、多くの犠牲者を出したと同時に、沿岸部の多くの医療機関が被災し、慢性的な医療職不足に陥り、地域医療体制がさらに危機的状況となりました。
東北メディカル・メガバンク機構は被災した住民の方々に長期健康調査・支援を行うことで、被災した個人への結果回付及び自治体への調査結果の報告を通して個人ならびに地域への健康増進に貢献しておられるようです。
健康調査の主な結果として、
・大うつ病などの増加
・運動習慣の減少
・循環代謝系の疾患(脳血管疾患、糖尿病、高血圧、メタボリック症候群等)の増加
・社会的孤立といった社会的影響もあることが示されております。
避難者の方々は肥満や高血圧、糖尿病の発症リスクが高いことが報告されていました。しかし、これは震災後短期及び中期的な健康影響を報告しているに過ぎず、今後、動脈硬化性疾患、心疾患、脳血管疾患の発症を増加させるかどうか、こ引き続き調査をつづけていくと論文レビューがなされております。
石川県も今後必要な取り組みになると考えられます。