冬に感染症が流行するのは?
今日はクリスマスイブです。予定がある人も、そうでない人もちょっぴりセンチメンタルな気分になるのではないでしょうか?私は学生時代からクリスマスが嫌いでした。なんか周りがソワソワしている空気感があり、私は全くそうではない。そのギャップが悲しい・・・ただそれだけです。今年もそうでしたが、九月ごろからインフルエンザが流行していました。ですが、例年冬場になると、季節性インフルエンザや風邪が流行します。十月には一度コロナも少なくなったのですが、インフルエンザはこれからが本番かもしれません。実はこの理由があまりわかっておらず、そもそも上記同感染症の詳しい病態や免疫自体がよくわかっていなかったのです。最近になって細胞外小胞(extracellular vesicle:VE)が上気道感染に重要な役割を果たしていることが明らかになりました。細胞外小胞は聞きなれない言葉ですが、簡単にいうと細胞のかけらです。この小胞の中には遺伝子情報、糖、タンパク質が含まれていて、一般には細胞間のコミュニケーションに使われます。鼻粘膜は病原体の観戦を検知すると、病原体と戦う仕組みが満載された細胞外小胞を分泌します。放出されたEVにウイルスが細胞と間違ってくっ付きます。ウイルスは自身では増える能力がないために、増殖するには細胞が持つ遺伝子転写の仕組みを利用する必要がありますが、EVにはその仕組みがないために、細胞と間違ってEVにくっついたウイルスは自己複製ができずに死滅してしまうのです。鼻粘膜は自らの分身であるEVをおとりにすることでウイルスを排除して、ウイルス感染から守っているのです。最近の研究では、鼻粘膜の温度が5℃下がると鼻粘膜から分泌されるEV量も4割減少するので、その分だけ鼻粘膜の抗ウイルス作用が質、量ともに低下することがわかりました。これが寒くなると風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症が増える要因の1つと考えられます。そのため、鼻粘膜の温度が下がるのを予防することは風邪予防にもつながります。「頭寒足熱」とはよく言ったもので、まさに鼻だけでも温かくしておいたほうが良さそうです。感染症は「冬」の訪れとともに流行しますが、北半球と南半球で交互に勢力を繰り返すことで絶滅せずに毎年猛威を振い続けるのだと言われています。