2025.09.19

医学とまじない

どこの国でも具合の悪い時には苦しい時の神頼みと言って神様に頼るものです。昔昔、アメリカの

アメリカインディアンにはシャーマン(祈祷師)がいて病気の治療にあたっていたようですし、

アフリカでは未だシャーマンが治療していることは珍しいことではありません。日本にも特に津軽

の地域には「神様」と言われる方がいて、いろいろなご神託をいただけるようです。イメージ的には

津軽というよりも恐山のイタコさんのイメージが強かったので、青森県にはシャーマン的な生業を

されている方が多かったのでしょう。そのようなところになかなか治らない病気について相談しに

いくと「大きな病院に行きなさい」という立派な神様もおられたようです。欲を言うと石川県金沢市の

いりたに内科に行きなさいといわれると、もっと良い神様ですね(笑)。「病は気から」と言いますが、

病気には患者さんの心が影響を与えていることが知られています。我々医者がこれはとてもよく効く

薬ですよ~と言って薬の効果のない「乳糖」を投与したり、眠剤を飲ませたくないのでけれども、

家人の都合でビタミンを眠剤として処方してくださいという場合もあります。それでも7割ぐらいの患者

さんには効果があるものなのです。このことを現代医学では偽薬効果またはプラセボ効果と言います。

転んだ時にお母さんが「痛いの痛いの飛んでいけ」と言ってさすってくれるだけで痛みが良くなった

という経験があるかと思います。治療のことを手当てともいいますが、具合の悪い時に看護師さんが

大丈夫ですよ!といって手を握ってくれるだけで患者さんは安心するものなのです。私のような

おじさんがやっても無駄でしょうが…でもできる限り優しく接するようにはいたしますね。