2025.04.25

医学探偵 ジョン・スノウ

おそらく耳にしたこともない人が多いのではないかと思います。私が医学部3年生か4年生の時に、

公衆衛生学という授業の中で昨日の話題である疫学というものを学びました。申し訳ないのですが、

授業的に覚えていることが少ないなか、奇跡的にしっかりと覚えているのが本日の話題なのです。

昨日ブログを書きながら「ジョン・スノウ」の井戸の話を思い出したのです。話は脱線しますが、

3年ほど前にBOOK-OFFで本日の題名「医学探偵ジョン・スノウ」を見かけて購入し貪るように

読んでしまいました。これは1854年8月に、ロンドンのソーホー地区でこれらが発生し、

ブロード・ストリート周辺では、最初の3日間で127人、9月10日までに500人が亡くなりました。

死亡率はソーホー地区全体の12.8%に達する勢いでした。この危機に本業が麻酔科医である

ジョン・スノウという医師が原因調査に乗り出します。その時ロンドンではすでに3度目のコレラの

大流行であり、空気感染すると考えられ、うつ手なしの状況だった中でスノウ医師は地図を作成し、

死者が出た家がある場所に印をつけていくと、印が集中している地区があることがわかりました。

その地区を丁寧に調べると、一つの井戸に原因があるのではないかと突き止め、コレラ菌も発見されて

いない中、井戸が怪しいと考えてその井戸を閉じさせたのです。その結果、感染が治っていった

のです。ロベルト・コッホによりコレラ菌が発見されたのが1883年つまり、その30年ほど前に

ジョン・スノウは空気感染と考えられていたコレラが、水を飲むことで感染する経口感染であることを

明らかにして、水の元を断ち切るという対策により人々の命を守ったのです。

上記書籍にはコレラの歴史から詳細に書かれております。さらに彼(ジョン・スノウ)はそれから

2年後に脳卒中で45歳に若さで亡くなっています。ジョン・スノウの疫学研究として語り継がれており、

現地ロンドンでは井戸も残され近くにはジョン・スノウパブもあるようです。英国すごい!!

興味のある方は、2021年に新装版で大修館書店から税込3,080円で出版されています。