2025.11.20

受動喫煙対策は遅れている

一昨日、タバコの健康被害についてブログで紹介したばかりですが、実は、すごく残念に

思っている飲食店があるのです。私と事務長は木曜日は訪問診療をしているのですが、私は

とても美味しいオムライスを提供いただけるお店だと思っているのですが、喫煙OKなのです。

料理は美味しいのに煙たいのです。本当に残念です。受動喫煙というのは煙を吸わされている

ということです。2020年4月1日から改正健康増進法が全面施行され、学校、行政機関、病院は

もちろんですが、飲食店からオフィスなどでも屋内が全面禁煙となったのです。実は日本は他の

先進国と比較して受動喫煙防止対策が大きく遅れているのです。東京都は2018年6月27日、従業員

のいる飲食店を原則として禁煙とする「受動喫煙防止条例」を議会で可決したのです。国よりも厳しい

のですが、世界的には標準的な規則なのです。「受動喫煙による害は証明されていない」とするメーカー

もあるようですが、2006年の米国の公衆衛生局長官の報告書によると紙巻きタバコの受動喫煙によって

肺がんのリスクは20〜30%上昇することが明らかになっています。それ以外にも心筋梗塞、脳卒中、

乳幼児の突然死症候群や喘息との関係が報告されています。また国立がん研究センターの研究では、

日本で毎年1万5千人もの人が受動喫煙で命を落としていると推計されます。喫煙者の数は含んで

いないので、タバコを吸いたくもないのに煙を吸って命を落としたという人がこれだけいるのです。

世界では年間60万人と言われているので妥当な数値でしょう。ちなみに細かい数値を見ると・・・

受動喫煙による年間死亡数推計値は、男女合わせて、肺がん2484人。虚血性心疾患4459人。

脳卒中8014人。乳幼児突然死症候群73人で年間15,000人となる推計なのです。肺がんよりも

心疾患、脳血管疾患が多いというのは血管に相当なダメージを与えることを覚悟しながら喫煙

しなくてはいけないということになりますね。だったら吸わなくていいじゃんと言えますよ。