2024.06.17

咳で来院…

皆さん、だいぶん気候も暖かくなってというか暑いですよね。

先月のゴールデンウィーク明けは、かぜ(感冒)の方がたくさん来院されました。

やはり気候の変動に体がついていけなかったのでしょうか。ほとんどが

いわゆる感冒(かぜ症候群)でした。その中に、なかなか咳がとれなくて…とお困り

で来院される方も多かったのですが、そのなかに明らかに喘息発作を起こしている方も

おられるのです。ご本人はいたってケロッとされていますし、違和感があるのです。

気管支喘息は、咳が出たり喘鳴などが続く病気です。炎症が原因で気道が狭くなり、冷気や

ウイルス感染(かぜ)などの外部的な刺激でも発作が起こります。つまり、この炎症を抑えること

が治療の主目的になるのです。気管支で起こる炎症としては、喘息のほかに気管支炎があり、

気管支炎の場合は細菌やウイルスなどを原因とした急性であることが多いのです。

通常急性気管支炎は感染症であるので完治は可能です。

一方の気管支喘息は、同じく気管支にできた炎症ですが、アレルギーや遺伝などの様々な要因を

含んで、かつ「慢性」です。一度発症すると、二度と発症しない完治にまで至るのは困難なのです。

治療目標は、薬を投与し続けて症状のない人と同じように生活できることです。ちなみに、

症状が軽快していても炎症は起き続けているのです。だからこそ、炎症がそれ以上悪化しないように

薬をつかい続けなくてはいけないのです。現在当たり前になっている吸入ステロイド剤の登場で

喘息の死亡率はかなり減っています。症状が3~6か月の間見られなければ、まず減薬し、

その結果休薬も可能です。休薬も続けられる場合もありますが、再発する場合もあります。

気管支喘息の患者さんのデータで8割以上の方が自己判断でお薬を中断しています。

かかりつけ医と相談しながら必要な場合はお薬をつかい続けてくださいね。