天気が良いと調子が悪い?
転機によって気分や体調が悪くなって今う人もいるのではないでしょうか?今日のブログの話題は、
天気と関係の深い気圧が身体に与える影響について考えてみましょう。
外来では、気圧が低下するつまり天気が良くなければ体調が悪くなる人が多いように感じます。
低気圧で偏頭痛がおきやすいと仮説があり、検証されましたが相関関係はなかったようです。
皆さんはいかがでしょうか?メニエール病と診断されている方は、気圧が症状の出現に大きく関与
しているのです。とくに気圧が上がると翌日にめまいなどの症状が出やすくなることが報告されて
います。研修医2年目の時に多く経験したのですが、脳神経外科、循環器内科、心臓血管外科で
札幌市の北部の救急を担っている総合病院に勤めていました。Hotlineがなり対応するのですが、
3科だけで頑張るのです。今考えればすごいことです。独身だし帰っても暇だし、病院で寝ているので
Hotlineが鳴るのがワクワクしていました。不謹慎ですよね。でも自己責任で色々な経験をこの時期に
積むことができたと思います。脳神経外科の先生にカテーテルを教えてもらったり、心臓のカテーテル
は外科でも自前でやっていたのですが、脳のカテーテルは新鮮でした。この時に、脳外科の手術にも
立ち会うことができて、くも膜下出血や外傷、広範囲に起こした脳梗塞では脳浮腫のために脳圧が
上がることで脳ヘルニア(脳幹部が圧迫されて絶命する可能性もある)を懸念した際には開頭減圧術を
行うのです。頭の片側の頭蓋骨の一部を大きく外して、外した骨は凍結保存して、脳の腫れが改善して
から元の場所に戻すのです。頭蓋骨がない状態では皮膚の下は硬膜(脳を包む膜)や脳なのでふにゃ
ふにゃしています。このような状態では気圧が直接脳に影響するので、圧がかかった脳局所では
脳血流量と脳代謝が低下して、片麻痺、失語、頭痛、けいれんや時に精神状態の変調をきたすのです。
この症状はSinking Skin flap syndromeと呼ばれていて骨を戻せば軽快するのです。頭蓋骨が外傷や
事故で破損していたら戻す骨がないじゃーんと思うかもしれません。実はセラミックやチタンなどの
金属で人工の頭蓋骨ができるので心配ないです。登山中に頭痛を感じる方もおられると思います。
これは気圧の低下と考えられていましたが、低酸素によって代償的に脳血管が拡張することが原因である
とここ最近は考えられています。