家族が実験台!?
医学の研究・発展にはいろんな犠牲があります。つまり黒歴史無くしては今の医学はないといっても
言い過ぎではないでしょう。自分の体を実験台にしたバリー・J・マーシャルは慢性胃潰瘍の患者から
抽出したヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)を培養し、培養したピロリ菌を飲み込み、10日後に
胃潰瘍になりました。その後抗生物質を飲んでピロリ菌を除菌して胃潰瘍を治した実験は有名です。
なぜなら2005年のノーベル生理学・医学賞を受賞したのですから。
家族が実験台のケースは、華岡青洲の麻酔薬の実験台です。数回にわたる実母の死や妻の失明という
大きな犠牲のちに、全身麻酔薬の「通仙散」を完成させて1804年には世界初の乳がん手術に
挑んで成功しております。海外では英国のエドワード・ジェンナーが使用人だった
ジェームズ・フィリップスを実験台にして天然痘ワクチンの開発に成功したのです。
もう1人、英国のジョージ・オリバーは、自分の家族を実験台にするのが好きだったようです。
1894年に副腎(腎臓の上にある小さな臓器)がどんな働きをしているのかを調べたく、抽出物を
幼い息子に注射したのです。すると、橈骨動脈が細くなる(収縮する)ことを発見したのです。
この実験が元で副腎抽出物の中には血圧を上昇させる何らかの物質があることが示唆されたのです。
その後、1901年には高峰譲吉と上中啓三らによってアドレナリンとして発見されました。
このアドレナリンは人類が最初に手にしたホルモンなのです。アドレナリンの発見から今年で
124年をけた現在では、約100種類以上のホルモンが発見されているのです。
実験動物という言い方をして、ラットやビーグル犬を用いた実験(研究)を行ってきた経験も
私自身ありますが、ポンポンを実験台にというわけには・・・とても考えられませんね。