2024.08.22
尿に血液が・・・膀胱癌!?
通常血尿をきたす癌は、膀胱がんが最も多いです。その膀胱癌のリスク因子となるのが
喫煙歴・職歴・癌の家族歴です。それらがないと、追加検査をしても癌である可能性は
非常に低く、一時的に腎臓から尿道にかけてのどこかが傷ついたことで出血した可能性が
高いのではないかと考えます。
米国の予防医療専門委員会では、無症候性の顕微鏡的血尿患者に対しては、癌の検査を
行うことはしておりません。尿細胞診(尿の中の細胞を見る検査)や尿中バイオマーカー
などのスクリーニング検査を行って膀胱癌の陽性的中率(癌でした!ということ)は、
なんと10%未満なのです。そのために、リスクが高い人に絞って検査をすべきなのです。
私は内科医ですので、泌尿器科の先生のように詳しいわけではありませんし、膀胱癌の
治療を!とも思ったこともありません。ただ、リスクが低い人たちの条件があります。
以下に示す通りです。
年齢:男性40歳未満、女性50歳未満
喫煙歴:非喫煙者もしくは、1年に10箱未満の喫煙者
尿所見:沈渣という尿検査で1視野に赤血球が3〜10個
リスク因子①膀胱癌の家族歴なし ②印刷業・化学物質の暴露歴なし
③シクロホスファミド使用歴なしというのがリスクの低い人たちなのです。
これらに当てはまらないリスクの高い人では、細胞診、超音波検査その上で膀胱鏡検査を
受けるべきかもしれません。痛みや費用がかかる一方で結果、癌はなかった!となれば
ラッキーと考えるのかは人それぞれですよね。私であれば、半年後に尿検査を再評価して
見ます。目に見える血尿が出た時には、すぐに受診をすべきでしょう。