2025.07.06

尿の色は健康のバロメーター

偶然に尿の色の異常に気がついて、泌尿器科のお医者さんの診察を受けて、病気が早期に発見された

という方もおいでるでしょう。患者さんから伺った話ですが、冬山でスキーをしていた時に、雪の

上に真っ赤な尿をしたことで、膀胱がんが見つかったということもあるのです。

正常な尿の色は淡黄色です。この黄色味は体の中で作られるウロクロームなどの色素が、尿に溶けて

いるからなのです。この色素の1日の生産量は一定なので、水分を多くとって尿量が多い日は無色に

近くなります。汗をかいて尿量が少ない時には濃い黄褐色になります。

赤い尿は、血尿で血が混じっています。しばしば膀胱癌などの尿路系腫瘍の発見の手がかりとなります。

尿路結石や膀胱炎などでも血尿になります。肝臓が悪くて、本来肝臓から排出されるはずの胆汁の中の

ビリルビン色素が大量に尿に出た場合は、濃い赤褐色となり血尿と間違えられます。この場合は、

尿の泡も赤褐色となるのが特徴です。牛乳のような白い尿は乳糜尿(にゅうび尿)と呼ばれており、

腎臓のリンパ管の病気が原因とされています。これは、亜熱帯地方のフィラリアによる風土病患者に

認められております。膀胱炎は灰黄色で混濁した尿となるのが特徴です。また、経験はありませんが、

黒い尿は黒色種(皮膚のがん)が原因とされており、危険なサインなのです。

尿の色は健康のバロメーターなので、1日1回は尿の色を観察してみてはいかがでしょうか?