尿検査って必要なの?
腎臓の状態を診るためには必須な検査であると考えております。
特に我々は、糖尿病患者さんが多いので尿糖の状態、蛋白などを見ております。
膀胱炎を疑った際には白血球反応やせんけつなどを見ていますので見どころは多くあります。
大昔から人類は、身体の異常が尿にあらわれることを経験的に知っていたようです。
有史以前の古代バビロニア人は、「蜜のような甘い尿には蟻が集まってくる、
このような尿をする人は皮膚の化膿症を持っている」と記載しています。すごい観察眼だなと思います。
まさに糖尿病患者の尿と症状を示しているのです。
尿は、腎臓のネフロンという「ろ過装置」で血液がふるいにかけられて、産生されます。そして体内の
老廃物や毒素が尿となって排出されます。もし、尿が全く作られず、老廃物や毒素の排泄が2、3日止まると
人間は死んでしまうと言われています。そのために、尿に排出されたいろいろな成分を分析して
腎臓の働きを判定しているのです。
泌尿器科の医師は尿中の細胞を調べることがありますが、それは、尿の通り道である尿管や膀胱に癌があると
尿中にがん細胞が脱落するので、調べて診断しているのです。
尿の色も重要ではありますが、ニオイも診断お役に立つ項目です。脳障害をきたすフェニルケトン尿症という
病気がありますが、2人の知的障害時を持つ母親が、尿に得意なニオイがあることに気づいたのがきっかけと
なった逸話があります(ネズミのようなにおい)。
私の経験では、血尿をして「もうだめだ〜」と思ったことがあります。その数時間後に尿路結石の発作に襲われて
救急搬送のお世話になったことがあります。この時の血尿はほぼ血ではないかと思うほどで、膀胱癌や尿路結石かなと
考えましたが、痛くないので膀胱癌と早とちりしていました。今となっては恥ずかしい逸話です。
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