2025.05.28

心房細動の怖さ

心房細動の話題は昨年2回、このブログで出てきております。心房細動という不整脈実はこれ自体

動悸などの症状はあるものの命に直結するわけではありません。心房という心臓の上の部屋が

けいれんしているようにピクピクしてその部屋の血流が滞った場所で血栓という血の塊ができて

しまい、その血栓が剥がれて心室、大動脈へとながれて全身に回ってしまうことがあるのです。

その血栓、頸動脈から脳へ流れると脳梗塞を起こしてしまうのです。それが足の血管であれば

急性動脈閉塞になるのです。心臓からはがれて脳梗塞になる場合、心原性脳梗塞と呼びます。

適切なお薬を内服することで、ご自身の脈の異常に気付いてすぐにご来院くださいね。

この心房細動、実はご高齢の方ほど罹患しやすいらしいのです。老化との関連は十分ではありません

糖尿病や心臓病(狭心症、心筋梗塞、弁膜症、心肥大など)も心房細動の原因になるとされています。

もちろん、度を越した飲酒も若年齢の甲状腺機能症亢進もあり得ます。つまり、原因検索は必須です。

心房細動から脳梗塞を起こすのは、年間100人に4~5人程度と言われています。

では、どんな人が脳梗塞になりやすいか計算してみましょう!

75歳以上:2点

脳梗塞になったことがある:2点

心不全:1点

高血圧症:1点

糖尿病:1点

血管疾患:1点

65歳以上74歳以下:1点

女性1点  

 これらの点数を足したもの、つまり、「点数×2」が大体年間の脳梗塞発症率に近いと

されています。例えば高血圧と心不全兆候があれば2点。2×2で100人中4人が1年間で脳梗塞になる

リスクが予想されます。これをCHA2DS2-VASc(ちゃずつーばすく)スコアと呼んでいます。

この心房細動由来の脳梗塞には、血栓をできにくくする抗凝固療法が必要なのです。それよりも、

心房細動自体を考えて抗不整脈薬で発作を予防したり、正常の脈に戻そうとする治療を行います。

また、心房細動が起きた時に、頻脈になってひどい動悸が起きるのを防ぐ治療もあります。

私は個人的にはカテーテルアブレーションを受けていただくようにお勧めさせていただきます。