断食で長生き可能!?
断食(ファスティング)のお話は6月にもさせていただきました。その後私は、
ファスティングをしていません。だって、お腹が減ったらイライラするんだもーん笑。
シリコンバレーの人たちの間ではファスティングのファンが多い事も知られています。
マウスを用いた研究で、マウスにカロリー制限をするとより長寿になる傾向がみられた
という報告があります。摂取カロリーの制限によってエネルギー消費量が減少し、活性酸素の
産生が減り、酸化によるダメージが減るという理論が提唱されます。
カロリーが制限されることでインスリンの濃度の減少やDNA損傷にも現象が見られ、これらが
アンチエイジングにもつながっている可能性もあるのです。
でも疑問に思いませんか?断食をしなくても摂取量が減れば体重は減り、断食自体が良いことを
しているのではないかも?と勘繰ってしまいます。私だけかな?
中国からの報告ですが、カロリー制限をベースで行いつつ、それに加えてファスティングを行う
グループと行わないグループで、肥満の人たちの体重や体脂肪の変化を追いかけるという研究です。
両群に割り付けられた人たちは男性は1500〜1800kcalに、女性は1200~1500kcalに摂取カロリー
が一律制限され、カロリー内であればいつでも自由に食事摂取が可能、もう一方のグループは
午前8時から午後4時までは食べられるものの、その時間外ではカロリー摂取は禁じられるという
グループ分けです。結論から言うと両群ともに7〜8kg程度の減量は認められ、副作用もありません。
12ヶ月間続けてですよ。毎日16時間のファスティングをしてもダイエットの追加効果はない!
つまり食事は時間よりも量が大事だと言うことを示しております。
ダイエットを主眼におくならば時間よりも食べる量であり、どう量をコントロールするのか、そして
量をコントロールするためには人の目が必要ということです。結果にコミットするあの会社は、
食事をトレーナーに写メして送るという方法を採用しているということを耳にしたことがあります。
まさに真髄、王道を行く方法です。シリコンバレーの人たちも驚きの結果かもしれません。
マウスではうまく行くけど人間ではうまくいかないことって沢山あるんですよね。もちろん、
逆のことも多くあります。やはり我々医師は生身の人間からの情報が大事ですね。