更年期や閉経を迎えたら
閉経は女性の人生の折り返し地点と言ってもおかしくは無いと思います。令和5年(2023年)の
発表によると男性の平均寿命81.09歳、女性は87.14歳であると厚生労働省が発表しております。
閉経は50歳前後で起きることが多いのですが、数字的な意味合い以上に人生の折り返し地点と
呼ばれるのは、体内の劇的な変化があることからだと思います。
閉経は徐々に卵巣の機能が低下していき、最終的に機能を失った状態のことを指します。この
卵巣の役割としては、女性ホルモンの”エストロゲン”の分泌がまず大事な働きです。エストロゲン
は骨を丈夫な状態に維持する働きがありますが、骨には古くモロい骨を壊す破骨細胞と新しい骨を
形成する骨芽細胞の2種類が骨のリフォームを繰り返しているのです。ですが、破骨細胞は監視
されないとどんどん骨を壊してしまいます。そこでエストロゲンが監視をしているのです。ところが、
閉経によりエストロゲンの分泌がなくなると破骨細胞の活動が骨芽細胞を追い越してしまい、骨が
モロくなってしまう骨粗鬆症になるのです。さらに、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の
新陳代謝を活性化させる役割も担っているので閉経前後の女性はエストロゲンの作用がなくなる頃に
健診結果で「えーLDL高いじゃん!」となるのです。何よりも女性自身が感じるのは更年期障害だと
思いますが、ホルモンの減少に対応できない脳の異常によって起こるのです。卵巣からのエストロゲン
が不足していれば、卵巣にホルモン出して!と指令しますが、なかなか出せません。というか卵巣は
閉店状態なので無視です。鈍感なのうはそれでも「ホルモン出してよ〜」と指令を出し続けるので、
脳の不協和音の影響で自律神経が悲鳴を上げるのです。これが肩こり、ほてり、頭痛となるのです。
ホットフラッシュという状態も視床下部と呼ばれる体温中枢の自律神経の機能が狂うことが原因と
されます。『閉経』と言ってもホルモン、骨、コレステロール、脳、自律神経など色々な部位に狂いを
生じさせてしまうわけです。このような特徴を理解した上で女性の皆さんは更年期や閉経を迎えるに
当たって自分の体との向き合い方を見つめ直す必要があります。