最大の敵は中年太り
3月も半ばとなり、また夏に向かって季節は進んでいます。夏になれば半袖になるし二の腕が見え
てしまうから、痩せる薬ちょーだいと私に向かっていう患者さんもいます。私をよくみてください。
そんな薬があれば、まず私がこっそり使って激痩せするに決まっているではないですか!
それにしても、中年になってからなかなか痩せるのが難しくて…とか、代謝が年齢とともに低下して
きたので…とか皆さん言われます。確かに私をはじめとする中年のおじさま達(ちゅーねんず)は、
果たして本当に代謝が低下しているのでしょうか?人間の総エネルギー消費量は、基礎代謝量と
食事後に静かにしていても勝手に上がる代謝量と身体活動によるエネルギー消費量に分けられます。
我々がちゅーねんずになれば落ちると思っていた代謝というのは、基礎代謝量のことで、
何をしなくても身体が勝手に消費するエネルギー量のことです。つまり生きるために必要最低の
カロリーのことです。では、この代謝率は年齢とともにどのように変化するのか?これが疑問でした。
米国のデューク大学の研究チームが、6421名のデータから解析すると、代謝率のピークは乳幼児期に
ピークを迎えて、20代までに3%低下することがわかりました。10代は成長期ですが、その時期の
代謝の急上昇はなく、モリモリ食べて代謝も上がっているようなイメージは基礎代謝においては認めず、
20〜50代の間は、代謝率が最も安定して低下することがありませんでした。男性、女性についても
性差はなく、実質的な違いは認めておりません。つまり中年太りは代謝の低下ではないのです!!!
60代以降は1年ごとに0.7%ほど低下するのですが、90代になると、1日に必要なカロリーは中年層と
比較して平均26%少なくなるのです。これは筋肉量減少と細胞の働きが鈍くなるためです。
では、我々ちゅーねんずの太りやすい原因は?実はわかりません。申し訳ないです。加齢によって
ライフスタイルに変化が起きたり、運動時間を確保できなかったり、運動量が低下するのも原因です。
基礎代謝は年齢を重ねても低下しないという事実から、ジム通いや食事制限を頑張るという
モチベーションにつながれば良いと思います。まずは、ウォーキング、ジョギング、水泳などの
有酸素運動から無理のない程度に始めてみてはいかがでしょうか!